[R-18] #スタゼノ #サンプル 【スタゼノ】First Love【10/19新刊サンプル】 - ペン吉の小説 - pixiv  Ánh sáng hoàng hôn ấm áp nhưng có phần kỳ lạ chiếu xuyên qua ô cửa sổ hình dạng bất thường, nhẹ nhàng soi rọi khuôn mặt Zeno.  Lớp kính hơi mờ dường như tự nhiên phản chiếu khói, khiến khuôn mặt Zeno ửng hồng dễ chịu. Các  bức tường bê tông đang được xây dựng khá tốt, nhưng do thiếu kỹ thuật viên chuyên nghiệp, kính vẫn có xu hướng bị mờ, và dường như việc nó không hoàn toàn thẳng và đều lại là một điều tốt. "Cậu có biết từ 'Oumagatoki' không?"  Zeno, được bao quanh bởi ánh sáng dịu nhẹ, chỉ nhìn Stanley bằng ánh mắt.  Lời nói của Zeno luôn bất ngờ. Stanley trả lời đơn giản, miệng ngậm điếu thuốc. "Không, tôi không biết từ đó."  原因不明の全人類石化から復活して数年。数千年の時を経て原始に還った世界は、ゼノの科学で少しずつ過去の姿を取り戻していた。  これから先、この世界で生きていく為にはやはりこの幼馴染が要だとスタンリーは内心独り言ちる。 炭酸カルシウム石灰石にケイ酸塩鉱物粘土なんかを混ぜて焼いて、クリンカーという中間製品を作り、それに硫酸カルシウム石膏を加えて細かく砕いて作るのがセメント。そのセメントに砂・砂利・水を混ぜて作るのがコンクリート。なんて、ゼノがいなければわからなかったし作れなかった。今、こうして屋根がある城というに相応しい住居で暮らせているのもゼノのおかげだ。  それを理解しているのかどうか、ゼノはゆっくりと身体をスタンリーへ向け、見つめる。しばらく見つめ合っていたが、不意にゼノは薄い微笑みを浮かべた。 「日本語で逢魔が時、と言うんだがね。日没直前、夕闇が深まる時刻を指す言葉さ。かつて人々はこの時間帯に妖怪や幽霊に出くわしやすいと考えていたらしいよ」  ゼノは窓辺に歩み寄り、遠くの森へ沈んでいく太陽を目で追った。 「面白いのはこの考え方が科学的にも説明できるところだ。日が落ち始めると視界は急激に悪くなり、影と光の境界があいまいになる。それが人の想像力に働きかけ、未知のものを生み出すんだ」 「へえ。つまり昔んやつはただの勘違いを恐れてたってことか?」 「勘違い? 違うよ」  ゼノは静かに首を振った。 「確かに科学技術が発展した今は不合理に感じるかもしれないが、当時の人々にとっては合理的だったんだ。暗くなる時間帯には実際に危険があった。野生動物や盗賊が活動し始める時間だからね。それを避けるための警告として機能していたわけだ」 「で? 何が言いてーの?」 「……逢魔が時には、もう一つの意味がある。魔が差す、魔が入るという意味合いでね。盗賊も、だからこの時間帯になると現れる、なんてことが囁かれたり…」 「ゼノ、結論」 「……これは流してくれて構わない」  人の心の隙間に魔が入る逢魔が時だから、と前置きした上でゼノが口を開く。 「好きな人が、できたんだ」  明らかに夕焼けのせいだけではなく、頬を淡く染めたゼノからのそれは、スタンリーにとって青天の霹靂だった。 「は?」 「だから、好きな人が出来たんだ。いわゆる初恋、というものだと思う。君に聞いてほしくて……」 「誰?」  スタンリーの口から、自分でも驚くほどの低い声が出る。  普段のスタンリーからは考えられない反応に、ゼノは瞠目して首を傾げた。 「スタン?」 「……あ゛ー」 (落ち着け、落ち着け)  スタンリーはつい鋭く吊り上げてしまった目尻に気づき、何とか表情筋に力を入れて笑顔を取り繕う。 「わり、予想外すぎてマジ顔なっちまった」  苦しい言い訳だったが、ゼノは特段気にした様子もなく「そうかい?」と首の位置を元に戻した。 「で? どんなヤツよ? センセのお眼鏡にかなったやつは」 「……秘密だ」  ゼノは視線をさ迷わせた後、人差し指を唇に寄せ、内緒話でもするかのように囁いた。 「……ふーん?」  スタンリーは密かに奥歯を噛み締める。ゼノの方から誰かに好意を寄せるようなことは、スタンリーの知る限り初めてのことだったからだ。 (相手は誰だ……?)  ゼノに近しい人間で、尚且つ女など限られている。シャーロットか、それともマヤか。  シャーロットもマヤも軍人で女らしさとは無縁だが、合理的思考で人の外見にはこだわらないゼノのことだ。自分にとって利になるか否かで選ぶとしたら、二人共これ以上ない人選と言えた。自分の身は自分で守れて、ゼノの研究にも付き合えるだけの体力がある。そんな、ここにはいないメンバーを順々に思い浮かべ、スタンリーは思わず頭を掻いた。 「あー、もしかして付き合うことになった?」  冗談めかして言えば、ゼノは肩を竦めて「まさか」と苦笑する。 「彼は僕が想っていることなんて知らないよ」 「は?」  今、彼と言わなかったか? 「なんだい、そんなに驚いて。僕の片恋がそんなに珍しいかい?」 「そっちじゃねえ。……男なん?」 「ああ、そっちか。そうだよ。別に珍しいことではないだろう? 愛に性別は関係ないと言うし、同性との性行為に関して言うのならば、僕は経験がある。……君だってそうだろう?」 「あー……まぁ、な」  あれは忘れもしない、とスタンリーは過去の記憶を反芻する。まだゼノもスタンリーもティーンエイジャーの頃……、それこそ全人類石化という未曾有の大災害が起こる数千年以上前の話だ。同時期に精通を迎え、あらゆる分野で好奇心旺盛だったゼノと、性をもて余すようになったスタンリーが互いの体へ興味を抱いたのは、ゼノ風に言えば必然だった。その興味が行動に移ったのは、共に十四になった頃のこと。  最初はキスだった。ただ唇が触れ合うだけの、挨拶にも近いキス。それが舌を絡ませるものになったのは、初めてキスをしてから三日後のことだ。ただ唇を触れ合わせるだけで頭の芯が痺れるような感覚に、ゼノが舌を絡ませてみたいと要求してきたのがきっかけで……、言ってしまえば若気の至りというやつにあたる。  スタンリー達は主導権を争いながらディープキスに夢中になり、気がつけばお互いの肌を弄り合うようにまでなっていた。  初めての快楽は、性への興味を加速させる。思考を支配する興味と快楽から簡単に一線を越えたスタンリーとゼノは、本来なら愛し合い育むための行為を肉欲だけで重ねていった。  ゼノと抱き合うことを覚えたスタンリーは、射撃のときとは違う意味で興奮し、脳が沸騰するという感覚を初めて知ることになる。  スタンリーはゼノの体に……ゼノに夢中になった。キスすればうっとりと眦を下げるところや、どこを触ってもビクビクと反応する身体が可愛いと思った。ただの友達、親友に対してはありえない感情を抱いていると気づいたとき、スタンリーはゼノのことを特別な意味で愛しているのだと知覚した。  対して、ゼノはこちらをどう思っているのか──。スタンリーがそれを知りたいと思うのは、当然の帰結だった。  ゼノは行為に及ぶ前、決まって「これはただの実験だ」と言っていた。しかし、スタンリーが望めば一切拒否しなかったことや、それどころかゼノからも頻繁に求めてくることすらあった過去から、それがゼノの答えだとスタンリーは思っていた。ゼノもスタンリーが好きなのだと……。  あのとき、ゼノは一度もスタンリーが好きだと言ったことはなかったと気づいていれば、ある日突然「もうやめにしよう」と告げてきたゼノに対して、もっと違った対応が取れていたかもしれない。  理由を問えればまだ救いはあったものを、子供だったスタンリーの口から吐いて出た言葉は……、 「オーケー。俺もそう思ってたとこだ」  これだった。プライドが邪魔をして追及はできなかったのだ。頭の中は「なんでだ」「どうして」そればかりだったのに。  あれから数千と十余年。風化したとまでは言えないけれど、焦がれるようなあの感情は自分の中で折り合いをつけたとスタンリーは思っていた。今の今まで。 (やべぇな……)  額を抑えて溜息を吐く。  心臓が早い。息が苦しい。汗が背中を流れる。こんなに動揺が身体に出ることなんて、入軍してからは無かったのに。 (まじかよ……)  スタンリーが頭を抱えていると、ふいに名前を呼ばれた。 「スタン?」 「……ああ、悪い」  意識を現実に戻すと目の前に心配そうな顔をしたゼノの姿があった。  自分だけに向けられていたものが、これからは他の誰かに向いてしまうかもしれない。そう思った瞬間、思わずゼノを腕の中に閉じ込めたくなる衝動がスタンリーに襲いかかるが必死で抑え込む。  今さら自分の想いを告白したところで、どうすることもできない。好きな男ができたと告白してきたゼノに「実は俺もずっと前からあんたが好きだった」なんて、身勝手な告白は出来ない。しかし、それでもついスタンリーは思ってしまう。 (俺じゃだめなのか?)  心の中で問い掛ける。  もちろん返事はない。当たり前だ。だけど考えずにはいられない。 (なんで俺じゃないんだ……?)  ゼノは黙り込んだスタンリーの様子を窺うように首を傾げる。その仕草さえ愛おしく感じてしまう自分がいることにスタンリーは呆れつつ、同時に苛立ちも覚えた。 「……ゼノ」  スタンリーが呼びかけるとゼノは真っ直ぐにこちらを見据えてくる。その瞳には一切の曇りがないように見えた。そんな純粋さが眩しく思える一方で、スタンリーには己の醜さを露呈してしまいそうな恐怖に目を逸らしたくなる気持ちがある。そんな相反する感情に翻弄されながらも、スタンリーは言葉を続けた。 「……初恋は実らねぇなんて言うけど、あんたの恋は実るといいな。応援すんよ」  精一杯の虚勢だ。本当はそんなこと微塵も思っていない。 (俺ぁ、何年経っても結局ガキん頃と大して変わってなかった……)  実るといい、なんて大嘘にもほどがある。むしろ正反対のことを考えていると言ってもいいだろう。 (初恋なんか、砕けちまえ。初恋は実らないのがセオリーだろ。砕けて俺んとこ来いよ、慰めてやっから。グズグズんなるまで、ドロドロに甘やかしてやる。痛いくらい優しくしてやんよ。俺がいれば、他には何もいらねぇってくらい、俺なしじゃ生きていけねえってくらいゼノの中に俺を刻みつけて──……)  スタンリーの醜く汚い胸中など、ゼノは想像すらしていないのだろう。 「ありがとう」  そう微笑むゼノの穏やかな顔に、スタンリーの中の数千年前の記憶が重なる。あの頃と同じ透き通るような肌、同じ癖のある髪先——変わったのは距離感だけだ。かつては躊躇なく触れ合えた距離が、今は硝子一枚隔てたように遠く感じる。 (あぁ……くそっ)  腹の底から、熱い塊がせり上がってくる。祝福すると言った舌の根も乾かないうちに、全身の血が逆流した。  スタンリーの喉仏が大きく上下する。気づけば右手が勝手に動いていた。指先が宙を泳ぎ、まるで磁石に吸い寄せられるように———、ゼノの柔らかな銀髪へ伸びていく。 「……スタン?」  ゼノがピクリと肩を震わせた。警戒心を見せるその反応すら愛おしい。そう思ってしまう自分の浅ましさに、スタンリーは吐き気がする。だが止まらない。  ゆっくりと、指先が銀糸の髪に触れ、滑るようにこめかみへ這っていく。親指の腹が耳の輪郭をなぞり、温かい首筋へと沈んでいった。ゼノの身体が強張るのが伝わる。 「スタン?」  戸惑う声色。それでもスタンリーの手は止まらなかった。親指の付け根でゼノの脈打つ命を探る。速い鼓動はスタンリーのものかゼノのものか——、区別がつかないほど近い。 「悪ぃ」  謝罪の言葉が自然と口をついて出た。  矛盾している、と。スタンリーは唇を引き結ぶ。ゼノの初恋を応援しながらも、その恋を粉々に叩き潰してしまいたい。ゼノを己のものにしたいと渇望する自分がいる。 「……スタン、離して」  ゼノの震える声にスタンリーはハッと我に返った。視線を上げると――、そこにあったのは不安に揺れる黒曜石のような双眸。  瞬間、スタンリーは悟った。この親友は、まだ知らないのだ。自分がどれほど残酷な宣告を幼馴染にしたのか。そして、スタンリーがどれほどの激情を抱えているのかを。 「離して、くれないか…?」  ゼノの声が僅かに掠れたものへと変化した。その拒絶の言葉が、鋭くスタンリーに突き刺さる。だが、スタンリーは離すことができなかった。むしろ更に力を込めて引き寄せる。ゼノの丸い額がスタンリーの肩に押し当てられた。 「……ごめん」  再び絞り出すような謝罪。それしかスタンリーからは出てこない。――情けない。  スタンリーの腕の中でゼノの身体は小刻みに震えている。それは怒りなのか恐怖なのか判別できない。ただひとつ確かなのは——スタンリーは今、最高に卑劣な人間になろうとしている。その事実だけだった。 「スタン!? やっ…」  ゼノの抗議の叫びは、スタンリーの荒い呼吸に掻き消された。逃れようと身を捩るゼノの細い身体を両腕で抱き締める。華奢な骨格の、軋む音が聞こえるんじゃないかと思うほど強く。スタンリーはいつもなら気をつける筈の手加減すら忘れた。  ゼノの体温と、汗の匂いが混ざった香りが鼻腔をくすぐる。懐かしい、あの頃と同じ匂い。胸が張り裂けそうだった。 「スタン! 離してくれ!」  スタンリーの耳朶を打つゼノの悲鳴すら、今は媚薬のように甘美な誘惑としてスタンリーには聞こえる。  スタンリーはゼノの肩を掴むと、強引に壁に押し付けた。冷たいコンクリートにゼノの背中がぶつかる鈍い音が響く。 「……っ!」  ゼノが息を詰めた。それでもスタンリーは止まれず、右手でゼノの左腕を壁に縫い付け、左手で彼の顎を乱暴に掴んで上向かせる。黒曜石の瞳が大きく見開かれ、恐怖に彩られているのがハッキリと見て取れた。 「スタン……君…一体……」  震える声。いつも冷静沈着なゼノの狼狽が痛快でさえあった。  スタンリーの胸の奥底で、何かがひしゃげる音がする。 「……さっきは応援するなんて言ったけどよ」  低く唸るような声がスタンリーの喉から漏れた。 「ほんとは、あんたの隣を他の誰かに奪われるのを黙って見てられるほど……俺は聖人君子じゃねぇんだよ」  そう言い放つと同時に、スタンリーはゼノの唇を荒々しく塞いだ。拒絶の声がスタンリーの口内で消える。ゼノの力ない腕がスタンリーの胸を弱々しく叩いた。無駄な抵抗だ。元軍人であり、今もこの石の世界ストーンワールドでの有事に備え訓練を怠っていないスタンリーが、頭のキレる科学者とはいえ民間人であるゼノを力でねじ伏せるのは簡単だった。  数千年と十余年ぶりに味わうゼノの唇の感触。柔らかくて熱い。あの頃と何も変わっていない。それなのに――。  スタンリーが唇を離すと、ゼノは大きく咳き込みながら酸素を求め喘いだ。涙で潤んだ瞳がスタンリーを睨みつけている。その視線は、スタンリーをさらに高揚させた。 「なんで…っ、こんなのは……君らしくない!」 「俺らしい?」  スタンリーは思わず嘲笑を浮かべた。 「あんたこそ、俺の何が分かるってんだよ。遥か昔のセックスフレンドぐらいにしか思ってないんだろ?」 「違う! 君は…っ、君はぼくにとって……!」 「あんたにとって、なんよ? 言ってみな」 「君は……っ君は幼馴染で…親友で! 僕の……っ僕のッッ」 「実験も手伝ってくれる都合のいいセックスフレンドか?」  スタンリーの声が一段と低くなった。再びゼノを壁に押し付ける力が強くなる。抵抗するゼノの爪がスタンリーの腕に食い込むが、痛みは快感に変わる。 「スタ……ちがう…ちが」 「もうどうでもいいよ、ゼノ」  スタンリーはゼノの耳元に口を寄せた。吐息が触れるとゼノの体がビクリと跳ねる。 「もう、決めたぜ。あんたの初恋相手なんかより先に――」  ゼノの耳朶をゆっくり舐めあげると、閉じ込めたその体の震えがダイレクトに伝わってきた。 「――あんたを、奪ってやる」  低く囁いた言葉が部屋の空気に溶ける。  ゼノの絶望に満ちた目がスタンリーを捉えた。星が瞬く夜空のようだった瞳が濁っていくのを見て、昏い悦びが込み上げる。  もう止まらない。……止まれない。スタンリーは自身の魂を削りながら、ゼノに手を伸ばした。  理性を失ったスタンリーの手が、着込んでいたゼノの服を乱暴に乱していく。ファスナーを下げる音が、やけに大きく聞こえた。  ゼノの抵抗する力は次第に弱まっていく。諦観か、あるいは別の感情か――どちらにせよ、もうどうでもいい。